はじめに:
この記事では、Amazon Web Services(AWS)のWeb Application Firewall(WAF)を使用して、特定の条件に基づいたアクセス制限を行う方法を解説します。特に、不正アクセスやDDoS攻撃など、一定期間に多数のリクエストを送信する試みを自動的にブロックするためのレートベースルールの設定手順について説明します。
前提条件:
- AWSアカウントを持っていること。
- WAFが設定されるリソース(例:CloudFrontディストリビューション、Application Load Balancer)が既に設定されていること。
手順:
ステップ 1: AWS Management Consoleにログイン
- AWS Management Consoleにログインし、サービスメニューから「WAF & Shield」を選択します。
ステップ 2: Web ACLの作成
- 「Web ACL」を選択し、「Create web ACL」ボタンをクリックします。
- 「Name」にACLの名前を入力し、「Region」を選択します(CloudFrontの場合はGlobal (CloudFront)を選択)。
- リソースタイプを選び、「Next」をクリックします。
ステップ 3: レートベースルールの作成
- 「Add rules」セクションで「Add my own rules and rule groups」を選択します。
- 「Rule type」で「Rate-based rule」を選択します。
- 「Name」にルールの名前を入力し、「Aggregate by」でIPアドレスを選択します。
- 「Rate limit」に、許可するリクエストの数を5分間で指定します。例えば、1000リクエスト/5分と入力します。
- 「Add conditions」セクションで、ルールを適用する条件を設定します。例えば、URIやクエリストリングに基づいて制限をかけることができます。
ステップ 4: ルールのアクションを設定
- 「Action」でブロックしたい場合は「Block」を選択します。
- 「Add rule」をクリックしてルールを追加します。
ステップ 5: Web ACLにルールを追加
- 追加したルールをWeb ACLに関連付け、「Next」をクリックします。
ステップ 6: ルールの優先順位を設定
- ルールの実行順序を決定します。重要なルールから順に番号を割り当てます。
ステップ 7: メトリクスの設定
- 設定内容を確認し、「Next」をクリックします。※Cloudwatchメトリクスが不要な場合はチェックを外します。
ステップ 8: Web ACLのレビューと作成
- 設定内容を確認し、「Create web ACL」をクリックしてACLを作成します。
ステップ 9: リソースへの関連付け
- 作成したWeb ACLをリソース(例:CloudFrontディストリビューション、Application Load Balancer)に関連付けます。
ステップ 10: テストと確認
- 設定が正しく機能しているかをテストし、AWS CloudWatch Logsやメトリクスを確認して、ルールが適切にトリガーされていることを確認します。
まとめ:
AWS WAFのレートベースルールを使用すれば、簡単に不正なトラフィックをフィルタリングして、Webアプリケーションを保護することができます。このガイドに沿ってルールを設定し、安全なWeb環境を維持しましょう。
注意点:
- WAFの設定は非常にデリケートな作業であり、間違った設定は正当なトラフィックをブロックする可能性があります。
- テストを十分に行い、実運用に移る前に設定を確認してください。
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